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コロナ対策ポスターで使える! 「マスクの着用が必要です」は英語で?

日本で暮らす外国人向けに、英語で「入店時はマスクを着用すること」、「熱がある方は入店を控えてください」と書かれたポスターを街中で見かけることが増えました。

今回は、一見ミスはなさそうな注意喚起のポスター。言いたいことは伝えられてはいるのですが、細かな文法ミスがあるため、お客様に「信頼感」を与えるためには少し戸惑ってしまう表現も。印象ダウンにつながらないためにも正しい英語表現について学んでいきましょう。

飲食店でポスターを発見! 文法ミスが相手への印象ダウンに……

下の写真は、飲食店で見かけた英語のポスターです。実はこの中に、ネイティブが見たら少し困惑してしまう英語表現が隠れているんです。どこに文法的な誤りがあるか見つけられますか?

わかりましたか?

今回は、見せ方を少し変えるだけで相手への印象が変わる、正しい英文法をチェック! 今回は、100%完璧な翻訳というよりは、よりよく見せる文法テクニックをご紹介! いますぐに実践できることばかりですので、参考にしてみてください。

この英語表現のどこが変なの?

それでは、どこがネイティブにとって違和感があるのか見てみましょう。以下の英語表現ではプロの翻訳として100%のクオリティではないのですが、今回はすぐにマネできるベターな表現を目指しました。

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見落としがち! 大文字・小文字の表記ルールがごちゃごちゃに

例えば、ポスターから抜粋した下の表現を見てみましょう。

Please Face masks

Required to enter. 

(訳: 入店にはマスクの着用が必要です)

気づきましたか? 文章内に、大文字と小文字が入り混じっていることがわかります。文頭は大文字で、文章内は固有名詞を除いて小文字にするのが英文法のルールです。

【正しい表現に近づけると】

Please face masks

required to enter.

英語の文章を書いてるときに、「ここは大文字にしたほうが協調できるかも!」と考えてしまう気持ちもわかるのですが、正しい表現であることで思いはより伝わります。すべての単語の頭文字を大文字にしないように注意しましょう。

言葉を区切る、コンマの後のスペースに注目!

次に注目したいのは、「,」(コンマ)。下の表現のどこに違和感があるか気づきますか?

if you feel unwell,or fever.

答えは、「,」の後ろに注目! コンマの後ろには単語との間に、半角スペースを入れる必要があります。このような些細なミスを指摘する方はほとんどいないと思いますが、正式な書類では必ず守られるルールです。簡単に修正できるため、覚えていて損はありません。

【正しい表現に近づけると】

if you feel unwell, or fever.

「,」だけでなく、「;」(セミコロン)、「:」(コロン)、「.」(ピリオド)の後も全て半角1スペースを空けることが決められています。(※全角にならないように注意)

文章内では小さな存在であるため、「これくらいならいいだろう」と思われてしまいがちですが、極端な場合、学校の論文やビジネス書類では相手に受け取ってもらえないことも。正しい書式の文章は読む相手に対して敬意を伝えることにつながります。

当たり前すぎることは言わない、あくまで簡潔に。

例外はあるにしても「あまりに当たり前であることは言わない」ことが英語表現では多くあります。これは、簡潔な表現を心がけるため。

例えば、下の表記を見てみましょう。「当たり前であることは言わない」視点で考えてみると、どこに間違いがあるかわかりますか?

Please use sanitizer your hands
and fingers.

(訳: 手と指を消毒してください)

正解は、and fingersが不要。当たり前のことではありますが、手は、手首から指先までの部分のことを指しているため、「hands」だけで十分に伝わるのです。

【正しい表現に近づけると】

Please use sanitizer your hands.

「指までしっかりと消毒してほしいから」という気持ちも理解できますが、上の表記のほうがシンプルで正確にやってもらいたいことが伝わります。

【上級編】「ワクチン接種済みのお客様へのお知らせ」 は英語で?

今回の文法間違いの中で、実はポスターの目を引くタイトルが、最大の難関ポイント! 少し難しい内容であったので【上級編】としてご紹介します。伝えたい意図とはかけ離れないためにも、ぜひ参考にしてみてください。

noticeの、二つの意味を持つ使い方に注意!

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「お客様へのお知らせ」と伝えるべきところが、実際のところはどうでしょうか。ここでは、noticeの品詞(単語の分類のこと。例えば、動詞・形容詞・助詞・接続詞など)がポイントとなります。

NOTICE CUSTOMERS

これは、直訳だと、「顧客に気付きなさい」という意味になります。

noticeは動詞で「気が付く」の意味で広く使われますが、ポスターでは、名詞として「通知、告知、注意」といった意味です。ここではNOTICE(動詞)+ CUSTOMERS(名詞)となっており、本来伝えたい意図とはかけ離れていることがわかりますね。

【正しく訳すと】

NOTICE FOR CUSTOMERS

これが正解です。前置詞forを文中に入れることで、NOTICEは名詞の役割へと変わるため、「お客様へのお知らせ」と伝えることができます。

andの使い方をチェック! 「A and B」は「AはBとは別である」

テーブルの上にリンゴと熟した新鮮なタンジェリン

次にチェックするのは、上で説明した「お客様へのお知らせ」の応用編です。日本人もよく使う「and」。文法的に日本人が間違えやすいルールについて解説します。

NOTICE CUSTOMERS
And those who were vaccinated.

2行目の「And those who were vaccinated.」に注目。

英語で「and」を使って要素を並列して述べるときは、自分では同じものを並べているつもりでも、実は別のものを並べていることになっています。

つまり、「A and B」は「AはBとは別である」という意味。「apples and oranges」でりんごとオレンジは別のものだということが伝わるかと思います。

「AはBではない」ため「ワクチン接種を受けた人は顧客ではない」という意味になるのです。

これでは伝えたい意図とは異なってしまい、「ワクチン接種を受けている顧客やその他の顧客に必ず会うべきだ」という意味となっています。

【正しく訳すと】

NOTICE FOR CUSTOMERS

Including those who are vaccinated.

これで、予防接種を受けている方も含めて予防接種を受けているお客様に対するお知らせとなります。

ちなみに、ワクチン接種の回数や種類が決められているため、海外では「fully vaccinated」(完全なワクチン済)と言うことが多い傾向にあります。そのため、Including those who are fully vaccinated もしくは Even if you are fully vaccinatedとするとさらに上級な表現となります。

まとめ

今回は、少し変えるだけで伝わり方が変わる意外と便利な文法についてご紹介しました。実はまだまだ、ポスターの中には気になる表現や文法間違いがちらほら。

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