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月: 2021年10月

北海道ではよく熊が出没! 注意標識を英訳するポイント

北海道には多くのヒグマが生息しています。当社がある札幌市でも街中にヒグマが出没しました。ニュースを見て驚いた方も多かったのではないでしょうか。北海道の翻訳会社である私たちにとって、熊は気になる存在です。

そこで今回は、ある県で見つけた熊の注意喚起ポスターをチェック! 誤訳だけでなく、外国人目線でのレイアウトや文字量の違和感など、特に重要なところをピックアップしていきます。

読者を惹きつけるための「見出し」に間違いを発見!

次の写真の「見出し」を見てみてください。どこがネイティブにとって違和感があるか分かるでしょうか?

どうでしょうか? 答え合わせです!

そのミスで大切な読者を失っているかも? “Be attention to Bears!”

見出しに記載してある、”Be attention to Bears!”。「クマに注意してください!」と直訳できないこともないのですが、正しくは字面がとても似ている”Pay attention to Bears!”と混同したと思われます。

pay attention to
《pay [give] (one’s) attention to》~に注意[留意・注目]する、~に注意を払う[注ぐ]、~に気を配る[留める]、~を注意して[ちゃんと]聞く
(参照: 英辞郎Web)

それでは、Pay attention to Bears! にすればパーフェクトな見出しと言えるのでしょうか?

Pay attention to~は、先生が生徒に向かって使うイメージ

テーブルの前の椅子に座っている子供たち

「はーい、授業聞いて! 集中して!」

学生時代に、先生からこのように言われたことがある方も多いのではないでしょうか。

英語の場面でも、このような注意を呼びかけるときに使われるのが、Pay attention to~. です。そのため、重大な場面での注意勧告にはそぐわないことが分かると思います。

ネイティブ翻訳者がこの見出しを見てポツリと言った一言は、「これでは、本気度が伝わらない……」。大切な情報を伝えるためのポスターなのに、見出しのせいで読んでもらえないほど悲しいことはありません。

危険性を正しく伝えるためには、見出しはどう表現したらいいの?

危険性を正しく伝えるには、

・WARNING

・CAUTION

・BEARS IN AREA

などシンプルな見出しでOK。文字量が多すぎると読んでもらえない可能性が高まります。

参考に、海外で使われている標識のイメージをいくつか見てみましょう。

エネルギー, カラフル, クリエイティブの無料の写真素材
立ち入り禁止
自然の中で碑文と看板
餌付け禁止
灰色の注意ワニラベルパネル
ワニ出没注意

シンプルな表現で、何を注意してもらいたいのか一目瞭然ですね。

見出しだけでなく、本文の書き方にも注意!

再び、今回のチェック題材を見てみましょう。

本文が長すぎるのも問題です。文字のサイズが小さかったり、内容を詰めすぎてごちゃごちゃしていると、読んでもらえません。

情報の詰めすぎには注意しましょう。当社のネイティブ翻訳者は、「日本語は情報をしっかりと出して、そこから選び取ってもらう発想だ。反対に、英語はお互いにとって最低限必要な情報だけを提示する。」と捉えています。

日本人目線の「情報をできるだけ詰め込んで注意喚起をしたい」という思いは、外国人目線で見ると伝わらない原因になり得るのですね。

いますぐ使える! 外国人に伝わる簡単テクニック

テクニック① 箇条書きにしてすっきりしたレイアウトにする

完璧な英訳ではないけれど、ネイティブにも伝わる! わかりやすい熊の警告ポスター例

すぐにできる簡単なテクニックは、箇条書きにすること。項目をはっきりと分けて、本文の内容もより短くすることで読みやすくなります。

テクニック② 画像やイラストを入れて視覚に訴える

完璧な英訳ではないけれど、ネイティブにも伝わる! わかりやすい熊の警告ポスター例

文字だけではなく画像やイラストがあると一目で意図が伝わります。

情報量を増やしすぎないことを目標に、シンプルで分かりやすい表現を目指しましょう。

まとめ

たとえ短い文章でも、外国語への翻訳は間違いがつきもの。文章量が多く、専門用語があふれたビジネスのテキストならなおのことです。

ネイティブに伝わる翻訳、通訳の依頼はノーススター・ランゲージサービスにお任せください。きっとあなたの言葉に込められた想いが伝わります。

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外国人観光客に伝わる! アレルギーの表示は英語で何て書けばいい?

街中の飲食店や旅先のレストランなどでメニューにアレルギー表示をしているお店を見かけることが多くなりました。日本では食品表示法で、原材料は表示が義務付けられるようになったため、英語のメニューでも必要に応じて、アレルギーの食品名が表示されています。

食物が原因で、くしゃみや鼻水、かゆみや唇やまぶたの腫れといった症状が現れるため、できれば外国人ユーザーに向けては英語でも説明をしたいものです。そこで今回は、弊社のネイティブ翻訳者が旅先で見つけてきた「アレルギー表示」の間違い英語をチェック! 日本のアレルギー食品表示の英語名も掲載していますので、ぜひ参考にしてみてください。

アレルギー表示で気を付けたいことは・・・?

下の写真は、飲食店で見かけた日本語と英語のメニュー名です。実はこの中に、ネイティブが見たら困惑してしまった表現があるんです。どこに違和感があるか見つけられますか?

わかりましたか?

ここでは、「アレルギー」のちょっとおかしな英訳“Allergies”をチェック!

この英語のどこが変なの?

それでは、どこがネイティブにとって違和感のある表現なのか見ていきましょう。

皿の上の調理済み食品

対象がない場合、無理に表示する必要はありません!

今回の写真では、オレンジのアレルギー項目の掲載は推奨*であるということもあり、あえて空欄にしたかった意図が読み取れます。アレルギーの直訳は、たしかにAllergiesですがこれでは「アレルギー=アレルギー」であり、言葉として意味が通じません。

正しくは、

allergen free
〔食品などが〕アレルゲンフリーの[を含まない]

がベスト。もちろん空欄でも問題ありません。

アレルギー表示の対象品目の英訳

どんなアレルギー物質が含まれているのかを英語で伝えたいときに、表示スペースにそのまま記載できる英単語をご用意しました。義務付けられている食品表示がある場合には使ってみてください。

※こちらは日本でのアレルギー表示です。海外でのアレルギー表示規制は内容が異なります。

日本でのアレルギー表示について*

○食物を摂取等した際、食物に含まれる原因物質(アレルゲン:主としてたんぱく質)を異物として認識し、自分の身体を防御するために過敏な反応を起こすことがあります。これを食物アレルギーといいます。
○食物アレルギーを持つ消費者の健康危害の発生を防止する観点から、過去の健康危害等の程度、頻度を考慮し、特定原材料を定め、容器包装された加工食品について、当該特定原材料を含む旨の表示を義務付けています。

消費者庁『アレルギー表示とは』

特定原材料

<日本語><英語>
かにcrab
えびshrimp
egg
dairy
落花生peanut
小麦wheat
そばbuckwheat

特定原材料に準ずるもの

<日本語><英語>
あわびabalone
いかsquid
いくらsalmon roe
オレンジorange
カシューナッツcashew nut
キウイフルーツkiwi fruit
牛肉beef
くるみwalnut
ごまsesame
さけsalmon
さばmackerel
大豆soybean
鶏肉chicken
バナナbanana
豚肉pork
まつたけmatsutake mushroom
ももpeach
やまいもyam
りんごapple
ゼラチンgelatin
アーモンドalmond

ちなみに、例えばイギリスではセロリやマスタードが特定原材料に含まれるなど、国によって義務付けられている表示が違います。異文化を感じてユニークですね。

相手の国のことを知ることは、言いたいことが伝わる翻訳表現の大切なステップとなります。

参照データ 

Consumer Affairs Agency (caa.go.jp)

Food allergy and intolerance | Food Standards Agency

まとめ

どんなに小さな言葉でも、母国語ではない外国語訳は間違えてしまうもの。文章量が多く、専門用語があふれたビジネスのテキストならなおのことです。

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乗客に伝えたい! タクシーでの「シートベルト着用」は英語で?

日本では、自動車やタクシーで後部座席の方もシートベルトの着用が義務化され、外国人観光客向けに様々な取り組みをしているタクシー会社も多くなりました。

そこで今回は、弊社のネイティブ翻訳者が街中で見つけた、タクシー内掲示物の間違い英語をご紹介! もしかして、日本人なら笑えない? それとも結構笑っちゃうかも? 今日もほどよく笑えて学べる英語ネタを揃えました。

シートベルトの使い方に関する、注意事項の掲示物を発見!

この中に、ネイティブが見たら困惑してしまう英語表現が隠れているんです。どこがおかしいか見つけられますか?

① Sit back on the seat and take right sitting posture.

② Ensure that the shoulder belt dose not hung your neck.

③ Make sure the belt is tight and straight.

④ The lap belt should wrap your pelvis.

⑤ Firmly insert the metal buckle until it makes a cling sound.

わかりましたか? それでは、外国人読者によりよく伝えるために、正しい英訳をチェック!

実は間違っている、表現や文法。この英語のどこが変なの?

どこがネイティブにとって違和感があるのか見てみましょう。

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赤字にするのは「自分も相手もわからない」ことが前提

文字色を変更することで、強調する。これは、日本語では文章を読んでもらうための効果的なテクニックです。しかし、英語ネイティブが赤字にされている日本語を見ると、「どんな重要なことが書かれているのだろうか」と身構えてしまうほど重要である必要が出てきます。

なぜなら、英語では赤字にするというのは「自分も相手もわからないことを意味し、誰にとっても重要なときだけに使うから」です。

今回赤字にされている一例を見てみると、「Sit back on the seat」。直訳にすると「座席に座る」という意味。これは明らかに、誰もが知っていることですね。わざわざ当たり前のことは赤字で伝える必要はなく、違和感を与えてしまうので注意してください。

dose=薬を飲む。eとsの間違いに注意!

「She do not〜」が間違えていることにはすぐに気づくのではないでしょうか。Heやshe、it などが主語になる場合に続く動詞はdoならdoesと、三人称単数形にする必要があります。

文章②に書かれている、「dose not」 と正しい英語の「does not」。一見、そっくりに見える文字の並びですが、じっくり見てみてください! eとsの入れ違いに要注意。doseは動詞や名詞で投薬する、薬の服用などを意味します。

dose:【動詞】投薬する、薬を飲む、【名】〔薬の〕一服、1回分(参照:アルク英辞郎 on the web

うっかり見落としがちですが、スペルミスには気をつけましょう。

pelvisは、骨盤。直訳にすると、不思議な英語になってしまう?

④ The lap belt should wrap your pelvis.

は、直訳で「ラップベルト(腰回りのベルト)はあなたの骨盤を包むべきです。」という意味です。確かにシートベルトは、ベルトを腰あたりの骨盤に巻くようにして着用しますね。

ただし、英語で「骨盤を包むように巻く」と表現すると、ネイティブにとってはあまりにも直接的で逆によくわからない印象になります。プロの翻訳に近づけることは難しいですが、目指したいのは幅広く事柄を含んでいるような包括的表現。相手に伝わりやすい正しい表現は、最後の正解を参考にしてみてください。

ネイティブじゃないとなかなか難しい! 各国で異なるオノマトペ

突然ですが、オノマトペの言葉の意味をご存知ですか?

オノマトペとは、さまざまな状態や動きなどを音で表現した言葉のこと。主に自然界にある音や声など、現実に聞こえる音を人の言語で表現した言葉である。犬の鳴き声の「わんわん」など。その他には、「ワクワク」のように、実際には音は聞こえないが感覚的な表現としてのオノマトペがある。日本語は特にオノマトペが多く用いられる言語といわれている。

新語時事用語辞典

その言葉自体が持つイメージや感覚を反映するもので、世界各国にはさまざまなオノマトペが存在します。英語も同じで、様々な表現が存在します。

今回、オノマトペを含んで表現したいのが、この文章。

⑤ Firmly insert the metal buckle until it makes a cling sound.

こちらで伝えたいと思われる日本語訳は

「⑤カチッという音がなるまでしっかりとシートベルトのバックル(取り外しするための器具)を差し込んでください。」です。

このカチッという音の表現。文章内で使われているclingは、

cling: 【動詞】しがみつく、くっつく

という意味です。意味を知ると、伝えたい意図とは異なることがわかりますね。このカチッというオノマトペを伝えるのにぴったりな英語は、

click:【動詞】カチッ[カチン・カチカチ・カタカタ・コツン・パチリ]と音がする

です。スペルは似ているようですが意味が大きく違ってきてしまいます。オノマトペは、使い慣れないかもしれませんが間違えるとまったく異なる意味になるので注意したい表現です。

正しくは英語で何って訳すの?

それでは、正しい英訳は何でしょうか。

プロの翻訳者が訳した、正解は!

こちらです!

① Sit back upright against the seat.

② Position the shoulder belt away from your neck and across your chest.

③ Make sure the belt is tight and straight.

④ Position the lap belt across your hips.

⑤ Firmly insert the metal buckle until it clicks.

ポイントであった赤字はすべて黒字にして、それぞれの文章表現も正しいものにしています。なかなか、完璧な表現を目指すことは難しいですが、参考にしてみてください。

まとめ

どんなに小さな言葉でも、母国語ではない外国語訳は間違えてしまうもの。文章量が多く、専門用語があふれたビジネスのテキストならなおのことです。

ネイティブに伝わる翻訳、通訳の依頼はノーススター・ランゲージサービスにお任せください。きっとあなたの言葉に込められた想いが伝わります。

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