北海道ではよく熊が出没! 注意標識を英訳するポイント
北海道には多くのヒグマが生息しています。当社がある札幌市でも街中にヒグマが出没しました。ニュースを見て驚いた方も多かったのではないでしょうか。北海道の翻訳会社である私たちにとって、熊は気になる存在です。
そこで今回は、ある県で見つけた熊の注意喚起ポスターをチェック! 誤訳だけでなく、外国人目線でのレイアウトや文字量の違和感など、特に重要なところをピックアップしていきます。
読者を惹きつけるための「見出し」に間違いを発見!
次の写真の「見出し」を見てみてください。どこがネイティブにとって違和感があるか分かるでしょうか?
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どうでしょうか? 答え合わせです!
そのミスで大切な読者を失っているかも? “Be attention to Bears!”
見出しに記載してある、”Be attention to Bears!”。「クマに注意してください!」と直訳できないこともないのですが、正しくは字面がとても似ている”Pay attention to Bears!”と混同したと思われます。
pay attention to
《pay [give] (one’s) attention to》~に注意[留意・注目]する、~に注意を払う[注ぐ]、~に気を配る[留める]、~を注意して[ちゃんと]聞く
(参照: 英辞郎Web)
それでは、Pay attention to Bears! にすればパーフェクトな見出しと言えるのでしょうか?
Pay attention to~は、先生が生徒に向かって使うイメージ
「はーい、授業聞いて! 集中して!」
学生時代に、先生からこのように言われたことがある方も多いのではないでしょうか。
英語の場面でも、このような注意を呼びかけるときに使われるのが、Pay attention to~. です。そのため、重大な場面での注意勧告にはそぐわないことが分かると思います。
ネイティブ翻訳者がこの見出しを見てポツリと言った一言は、「これでは、本気度が伝わらない……」。大切な情報を伝えるためのポスターなのに、見出しのせいで読んでもらえないほど悲しいことはありません。
危険性を正しく伝えるためには、見出しはどう表現したらいいの?
危険性を正しく伝えるには、
・WARNING
・CAUTION
・BEARS IN AREA
などシンプルな見出しでOK。文字量が多すぎると読んでもらえない可能性が高まります。
参考に、海外で使われている標識のイメージをいくつか見てみましょう。
シンプルな表現で、何を注意してもらいたいのか一目瞭然ですね。
見出しだけでなく、本文の書き方にも注意!
再び、今回のチェック題材を見てみましょう。
本文が長すぎるのも問題です。文字のサイズが小さかったり、内容を詰めすぎてごちゃごちゃしていると、読んでもらえません。
情報の詰めすぎには注意しましょう。当社のネイティブ翻訳者は、「日本語は情報をしっかりと出して、そこから選び取ってもらう発想だ。反対に、英語はお互いにとって最低限必要な情報だけを提示する。」と捉えています。
日本人目線の「情報をできるだけ詰め込んで注意喚起をしたい」という思いは、外国人目線で見ると伝わらない原因になり得るのですね。
いますぐ使える! 外国人に伝わる簡単テクニック
テクニック① 箇条書きにしてすっきりしたレイアウトにする
すぐにできる簡単なテクニックは、箇条書きにすること。項目をはっきりと分けて、本文の内容もより短くすることで読みやすくなります。
テクニック② 画像やイラストを入れて視覚に訴える
文字だけではなく画像やイラストがあると一目で意図が伝わります。
情報量を増やしすぎないことを目標に、シンプルで分かりやすい表現を目指しましょう。
まとめ
たとえ短い文章でも、外国語への翻訳は間違いがつきもの。文章量が多く、専門用語があふれたビジネスのテキストならなおのことです。
ネイティブに伝わる翻訳、通訳の依頼はノーススター・ランゲージサービスにお任せください。きっとあなたの言葉に込められた想いが伝わります。
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