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「伝える」ための「言葉」に

―商品キャッチコピー、タグラインの英語ライティング― 

近年海外事業を展開されている企業様から、商品コピーやブランドステートメントなどの英文作成のご相談をよくいただきます。

その中で、日本語で既に確立されたキャッチコピーやタグラインが存在するものの、海外市場に展開/販路拡大するにあたって単純にそれを単語単位で翻訳するだけでマーケティングできるものか、とご質問いただくことがあります。

多くの場合、答えはNoです。

もちろん文法があっていて、意味が通じるか、といえばYesかもしれませんがマーケティングに際して訴求力を持つ文章に仕上がるかといえば、残念ながらほぼ使えません。

重要なのは、対象市場の文化的違いを理解した上、最も適切で洗練された言葉、表現を組み合わせて文章を創り出すことです。また、表現方法は1つではありません。同じような意味合いの単語ひとつとってもニュアンスが異なり、それをどう繋ぐかによって印象が変わります。

では、どのようにして、数ある単語の中からお客様の想いに一番マッチするものを選ぶのか。

これにはお客様へのヒアリングが重要になります。弊社ではコンサル型ライティングサポートと呼んでおりますが、データベースのやりとりだけではなく、お客様とお打ち合わせを設けて担当ライターが直接お話をお伺いすることで温度感などを取り違えることなく磨きあげられた英文を作成させていただきます。

簡単にワークフローをご紹介します。

まずは、初回ミーティング。

ターゲットになる市場や日本語に込められている想い、中核となるポイントなど詳細をライターがじっくりヒアリングし、理解します。このお打ち合わせが、単語や表現の選定において非常に重要な工程となります。言葉に込めた、お客様の伝えたい「想い」を理解して初めて他言語でのアウトプット作業ができるからです。

次にライティングを開始します。

ヒアリングした内容を基にして、既存の日本語を参考にしつつ、残したほうが良い要素は活かしながら、作成します。言葉の置き換えではなく、コンセプトを反映した文章作りです。

通常は、1つの文章に対して3案程度作成しそれぞれの良さや違いをご理解いただける和文補足をつけて一回目の成果物を提出します。

初稿の3案を提出後、お客様のご意見・ご意向をお伺いし反映させてブラッシュアップする工程を2回設けて最終版を完成させます。必要に応じて、作成した初稿案をテーブル上に広げ、再度お客様と会議を行う場合もあります。それぞれの文章のニュアンスや印象を直接話し合うことで、お客様の希望にあった英語版に仕上げることが可能です。上記は一例で、作業工程は案件の性質やお客様のご要望にあわせてベストなものをご提案させていただけます。

コピーは人の感性や読解力に訴えるものです。国や文化が違えば、感性や読解力にも違いが生まれるため、単に日本を別の言語に置き換えるだけでは伝わりません。日本語の文章は読み手の読解力を前提に書かれていますが、他言語化する際には書き手の伝えるチカラが重要になってきます。ノーススター・ランゲージサービスでは、経験豊富なプロのライターによるライティングで、その魅力や込められた想いを、最大限に引き出す文章を作成します。

英文ライティングでお困りごとがございましたら、ぜひお気軽にお問合せください。

海外メディアによるアスリート取材通訳

~スピードスケート金メダリスト清水宏保さんへの取材同行~

先月11月、オランダ放送協会NOS Sport のアスリート取材に日英通訳として同行しました。インタビューのお相手は、元スピードスケート選手で金メダリストの清水宏保さん。オランダではスピードスケートは大人気の種目だそうで、清水さんの知名度も抜群とのこと。2026年の冬季オリンピックに向けて、清水さんに関するテレビ番組を制作するため、オランダから取材チームが来日しました。

元スピードスケート選手、金メダリストの清水宏保さん

当日は1972年冬季オリンピックでスピードスケート会場となった真駒内屋外競技場(現真駒内セキスイハイムスタジアム)をはじめ、札幌市内の冬季五輪にゆかりがある場所を巡りながら、選手として臨んだオリンピックの話、競技引退の理由、またその後の生活など様々なお話を伺いました。

取材通訳の様子
大倉山ジャンプ競技場にて

オリンピック金メダリストにお会いできる機会はなかなかなく、少し緊張もしましたが、集合から解散まで、終始和やかにご対応いただき、とても良い雰囲気で取材サポートができました。

お昼には札幌のソールフード、スープカレーを頂きながら楽しく談笑する場面も!

オランダ取材チーム初めてのスープカレー

通訳としてオランドの取材チームと清水さんの間にはいり、インタビューやコミュニケーションを円滑にサポートするのはもちろんですが、競技の第一線で活躍された方のお話や、オランダのスピードスケート界の現状などについても学ぶことができ、とても勉強になりました。この案件に参加させていただくことができ、大変光栄でした。

最後になりましたが、関係者の皆様どうもありがとうございました。

ノーススター・ランゲージサービスでは日英通訳のご依頼も承っております。是非お気軽にご相談ください!

役員変更のお知らせ

拝啓 時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
平素は格別の御高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

さて、弊社では令和6年4月29日午前10時(イギリス時間)開催の株主総会におきまして、下記の通り役員が選任され就任いたしました。
つきましては、今後とも社員一同業務に奨励いたしますので、一層のご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。

敬具

代表取締役 古越 万紀子(昇任)

「サンガ」って何?オーストラリア英語と日本語の共通点:略語

こんにちは!ノーススター・ランゲージサービスの翻訳者Aです。
みなさんはオーストラリア英語と日本語には似たような特徴があることをご存じですか?

オーストラリア英語と日本語は全く異なる言語ですが、実は似ている点もあります。日本人はよく略語を使いますよね。例えば「明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。」という新年の挨拶を「あけおめことよろ」と言ったり、「ダブル」の略としてアルファベットのWを使ったりと、様々な略語を使いこなしています。 日本人のように略語を日常的に使う国民が他にもいるのをご存じですか?そう、それは「オージー」という略称でおなじみのオーストラリア人です!

多くの言語に存在する略語ですが、日本語とオーストラリア英語には特に多く、中には世界的に使われる言葉になったものもあります。例えば自撮り写真を意味する「selfie(セルフィー)」は、今では全世界の人々に使われるようになりましたが、元々はオーストラリア英語なんです。文字数を減らすだけでなく、親しみやすさも生み出してくれるのが略語の特性です。

一方日本では、お店で綺麗に並べられた商品棚を見てみると、ポテトチップスやチョコレートにならんで「sand(サンド)」と書かれた商品を見かけることがあります。英語でsandは砂という意味ですが、もちろんこの商品は砂を使ったものではなく、ビスケットの間に何かをはさんだ(=サンドした)ものです。日本人からすると特に違和感はないかもしれませんが、sandwich(サンドイッチ)をsand(サンド)と略すのは日本語独特の言い方なので、海外の人からするとちょっとびっくりする略語です。

ちなみにオーストラリア英語にもサンドイッチの略語があり、オーストラリア英語の場合は「sanga(サンガ)」と言います。ご存じでしたか?

日本語はひらがなとカタカナだけでなく漢字も使うため、略語をつくりやすい言語です。特に漢字は、英語のアルファベットと異なり一字だけでも多くの意味を伝えられるので、元の単語の頭文字をとってくっつけるだけで簡単に略語をつくることができます。例えば「就職活動」を「就活」と言ったりしますよね。もちろん日本語の略語には、漢字表記のものだけでなくカタカナのものもあります。「ポケットモンスター」の略語である「ポケモン」も世界的に有名になった言葉です。

漢字を使わないオーストラリア英語では、どのように略語がつくられると思いますか?オーストラリア英語の場合は、単語の最初の部分にa, o, ieまたはyをつけて略語をつくることが多いです。例えば、チョコレートは「chockie(チョッキ―)」、ビスケットは「bickie(ビッキー)」と言います。なのでチョコレートビスケットは「chockie bickie(チョッキ―ビッキー)」という言い方になります。これは比較的分かりやすい略語なのですが、オーストラリア英語には少しひねりを加えた略語もあります。電気技師は火花(spark)を散らすため「sparkie(スパーキー)」と呼んだり、作業の工程でウッドチップが作られるため大工さんを「chippie(チッピー)」と呼んだりします。

オーストラリア英語の略語は言葉の終わりの響きから少し子供っぽく聞こえますが、これは意図されたもの。オーストラリアでは偉そうな人や自分の成果をひけらかす人は嫌厭されるため、相手に堅実で親しみやすい印象を与えるのが大切です。カジュアルで親しみやすい響きのオージーの略語にはそういった文化が反映されているのです。

まとめ

日本語の略語は効率を重視してつくられているものが多く、ひらがな、カタカナ、漢字の3つの表記をつかう独特の文化がベースとなっています。略語は非常に便利ではありますが、 日本では礼節が重んじられるため、時と場合によっては使用を控えた方がよいこともあります。一方、オーストラリア英語の略語はユニークな文化が反映されたもので、基本的に場面を問わず使用することができます。

今回は「略語」をテーマとして日本語とオーストラリア英語の略語について少しお話しました。

元の言語のメッセージを違う言語話者の人に正確に伝えるために、翻訳者は文法や単語だけでなく、こういった文化についての知識も有しておくことが大切なのです。次回もお楽しみに!

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<参考>

JSTOR Daily, “Small Poppy Syndrome: Why are Australians so Obsessed With Nicknaming Things?”, February 7th, 2018.

The Gardian, “Selfie: Australian slang term named international word of the year”, November 19th, 2013.

WorkInJapan.today. “Quirks of Japanese: Contractions and Abbreviations”, February 10th, 2020.

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ノーススター・ランゲージサービスは、「言葉に込められた想いを伝える」ために、ネイティブの翻訳者とバイリンガルのチェッカー、そして編集者による高品質の翻訳を提供しています。英訳および和訳はもちろん、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語、タイ語、フランス語、ドイツ語などの多様な言語で、幅広い分野における対応が可能です。

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カフェに「リベンジ」したことはありますか?英語ネイティブがおもしろいカタカナ語を紹介します!

オーストラリア出身翻訳者のAです。
今回は、日本に住んでいておもしろいと思ったカタカナ語を紹介します!

他の言語と同様に、日本語にはたくさんの借用語つまり外来語があります。外来語は一般的にカタカナで表記されるため、「カタカナ語」とも呼ばれていますね。カタカナ表記にするだけで、外国語を語彙に取り込むことができるのが日本語の特徴です。

著作者:Freepik

今でもはっきりと覚えているのが、日本語を学び始めたばかりの頃にMcDonald’sを日本語的な発音で聞いたときのこと。友人に「『マクドナルド』は何のことだと思う?」とクイズをだされたとき、何を意味する言葉なのか全くわかりませんでした。ちなみに英語では、McDonald’sは[məkˈdɒnldz]、カタカナにすると「マク ァナルズ 」と発音します。

このように、カタカナ語の元となった言語の話者にとって、カタカナ語は便利であると同時に厄介でもあります。分かりやすいように見えても発音が元の言語と違うため、つまずくことがあるのです。

著作者:Freepik

カタカナ語には、発音の違いだけではなく、英語ネイティブにとって全く違う次元の難しさがある「和製英語」があります。和製英語は、英語の単語やフレーズをカタカナにして元の意味とは全く違う使い方をしたり、日本語と混ぜたりしてつくられた、英語のようだけど英語ではない言葉です。和製英語は非常に難解ですが、学ぶのが楽しい言葉でもあります!

今回は、「Revenge(リベンジ)」、「Bubbly(バブリー)」、そして「Oyaji gag(オヤジギャグ)」の3つの和製英語をご紹介します。皆さん、これらが英語ネイティブにとってどういう意味になるかご存じですか?予想しながら読んでみてくださいね。

Revenge(リベンジ)

著作者:storyset/出典:Freepik

初めてこの和製英語を聞いたとき、少し怖くなったのを覚えています。友人が行きたかったカフェが定休日だったので、別の日に「リベンジ」すると言っていたのです。彼女の話を聞きながら「そこまで怒ることないのに…。この子って実は怖い子だったのかな…。」と思っていました。

実は英語のRevengeはネガティブなイメージの言葉で、何か嫌なことをしてきた相手に復讐するという意味をもちます。一方で和製英語の「リベンジ」は、もう一度チャレンジするというときに使われますよね。

その友人は、英語の元々の意味であるRevenge(復讐)としてカフェに放火することなく、別の日に足を運んで(「リベンジ」して)無事に目当てのパンケーキを楽しんだのでした。

Bubbly(バブリー)

著作者:storyset/出典:Freepik

「バブリー」という言葉から、皆さんは何を思い浮かべますか?

和製英語の「バブリー」が意味するのは、ひけらかすような感じでお金遣いの荒い人。言い換えると派手な人のことですよね。一方、英語のBubblyは、「生き生きとした」や「陽気な」という意味の形容詞です。

この和製英語の元となったのはもちろん、バブル崩壊前の、何もかもが好調だった1980年代の日本の好景気です。関連して、バブル景気時代の流行や社会現象は「バブル時代」、この時代に新卒就職期を迎えた世代は「バブル世代」と呼ばれていますよね。

Oyaji gag(オヤジギャグ)

著作者:storyset/出典:Freepik

これは英語と日本語を組み合わせたタイプの和製英語です。中年の男性や父親が言うようなジョークのことですが、なんと英語にも同じ表現が。お父さんやおじさんがよく言うサムイ駄洒落を、英語ではdad joke(くだらないジョーク)と言います。日本にも同じような文化があるんですね!

今回は3つの和製英語をご紹介しましたが、英語と日本語で使い方が異なる言葉はまだまだたくさんあります。

正確な意味をターゲットとなる受け手に伝えるために、プロの翻訳者には文化に関する知識が欠かせません。今後も言語の面白さについて紹介していくので、楽しみにしていてくださいね!

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その発想はなかった!海外旅行者が勘違いする日本のアレこれ

突然ですが、これ、何だかわかりますか?小さなお子さんが幼稚園などで胸につける名札のバッジです。では、これが何のデザインかと聞かれればどうでしょう。

日本での暮らしが長いと、「チューリップ」以外を思いつくほうが難しいのではないでしょうか。でも、このデザインが、Tofu on Fire「燃える豆腐」に見えた外国人の方がいたようです。そのユニークな視点はTwitter(現:X)で話題になり、今では名札のデザインの下にTofu on Fireと書かれたTシャツやバッグが商品化されているほどです。このように、私たちにとって見慣れたモノでも、それを初めて見る人にとっては意外な物に見えることもあります。本日は、海外からの旅行者が思わず勘違いする意外なものをご紹介します!

こちらは秋のスイーツには欠かせない存在の「モンブラン」。画像は5HORN(https://5horn.jp/)さんの「和栗のモンブランプレート」です。とても美味しそうですよね!日本人にとって、モンブランはフランスやイタリアから来た「洋菓子」です。ただ、観光客の中にはモンブランを日本に来るまで見たことがなかったという人も。彼らの中には見た目からパスタだと思い込む人もいるようです。秋限定の和栗スイーツを食べに行こうと誘っても、モンブラン自体を知らないと写真がパスタにしか見えないようで、「スイーツ?これだとランチじゃないの?」となってしまうようです。

見た目の勘違いに続いて、「言葉」の勘違いも紹介します。

最近は英語メニューのある居酒屋さんも増えてきましたね。そこで肉じゃがやおばんざいを「日本のおふくろの味 Japanese mother’s taste」と説明している店があったそうです。それを読んだ人は「これは・・・日本の母親のような味がする料理!?」と、注文してみたいような、注文するのがコワイような複雑な気持ちになるのだとか。日本語でよく使われる「おふくろの味」は英語で同じような言葉にするならば、“Tastes like Mom’s home cooking/the flavor of Mother’s home cooking” と言えますが、海外の方にとっては「日本のお母さんがつくる料理」がどんなものなのか当然検討もつきません。なので、さらに意図を組んだ意訳をするのであれば、懐かしい、ほっとするような料理のイメージが伝わる “Japanese comfort food” とするほうが伝わりやすいでしょう。

以上、バックグラウンドの違う視点で生じる、物の受け取り方や見方のユニークなギャップを紹介しました。

実績紹介ーウポポイまるごとガイド

「ウポポイまるごとガイド」とウポポイPRキャラクター トゥレッポんです!

北海道新聞社様より発売された「ウポポイまるごとガイド」の英訳に携わらせていただきました。アイヌ民族の文化や歴史に触れて学べる、北海道白老町の施設「ウポポイ(民族共生象徴空間)」のすべてが紹介されたガイドブックです。

アイヌ文化にはじめて触れる方にも興味をもって読み進めてもらえるように、専門的になりすぎない単語や表現を選んで翻訳しました。アイヌの文化や言葉、その歴史や精神世界についての翻訳は、非常に奥が深く容易なものではありませんでしたが、Upopoy Ainu Language Teamの皆様、また国立アイヌ民族博物館の皆様にアドバイスや校正をいただきながら無事完成させることができました。

ノーススター・ランゲージサービスでは、経験豊富な翻訳者やチェッカーが利用用途に適した訳文に仕上げます。ぜひお気軽にお問い合わせください。


販売元:株式会社 北海道新聞社

ウポポイ(民族共生象徴空間) 公式サイト:https://ainu-upopoy.jp/

年末年始のお知らせ

拝啓 師走の候、ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。

株式会社ノーススター・ランゲージサービスでは年末年始の休業日につきまして、下記のとおり休業日とさせていただきます。皆様には大変ご迷惑をおかけいたしますが、ご了承いただきますようお願い申し上げます。

敬具

■年末年始休業日
2023年12月28日(木)午後 ~ 2024年1月8日(火)

※2024年1月9日(火)より、通常営業を開始いたします。

※お問い合わせにつきましては、2024年1月9日(火)以降順次ご連絡させて頂きます。

海外からの旅行者が驚き感心!

電車で日本女性から受けたまさかの声かけに「これが日本なんだな!」

サッカーのFIFAワールドカップ(W杯)カタール大会、日本が大金星をあげたその試合内容はもちろんのこと、ゴミ清掃をした日本代表サポーターが表彰されたことでも話題になりましたね。自分で出したゴミは自分で片付ける、そんな日本で暮らす私たちにとって「当たり前のマナー」は世界的にみると、表彰ものの稀有な行為だったようです。インバウンド復活の兆しが見える京都の電車内でも、「感覚の違い」からくる驚きの光景を見かけました!

観光地に向かう海外からの観光客が、昼間の空いた電車内にも目立ち始めたようです。彼らは座って楽しそうにおしゃべりしていました。目的の駅に着き、降りようとした彼らを、日本の中年女性がニコニコと呼び止めたのです。女性の手には彼らの座席に残っていた缶や、コンビニ袋がありました。

「忘れものですよ。」彼女はとても自然な態度で彼らにそれを手渡しました。

「Oh?」一瞬驚いて固まった彼らでしたが、「 Oh・・・!」と慌てて「忘れ物」を受け取っていました。同じ駅で下車した私はしばらく彼らの会話を聞いていましたが、「おい、どうしてゴミを渡されたんだ!?」「まさか、自分で捨てろよってことか?」「きっとそうだよ、さすが、さすが日本だな!」「マジか、これが日本だよ!」と何だか盛り上がっているようでした。どうやら、彼らが渡されたのは空き缶であり、コンビニの袋には食べ終わったお菓子か何かの空袋しか入っていなかったようです。

声をかけた女性は、彼らがそれを、本当に車内に「置き忘れた」のだと思い親切に手渡してあげたように見えました。

ですが彼らは「ゴミを自分で持ち帰る」という習慣のない国から来ていた人だったのかもしれません。ゴミを渡された瞬間は本当に驚いた顔をしていました。

彼らは会話の中で、さすが日本だね、と言っていたので、日本が清潔な国だというイメージを持っていたのだと思います。

ただ、例えば、世界的には小学校や中学校の清掃を児童、生徒自身で行う国の方が圧倒的に少数であるように、どうしても清掃は業者さんがするもの、という認識が彼らの国の「当たり前」なのかもしれませんね。

日本の清潔な車内は、鉄道会社の行き届いた清掃管理はもちろんのこと、乗客一人一人の行動もあって成り立っているというのは、やはり海外の人にとって衝撃の体験であり、感嘆する異文化のようです。

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